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2004年10月15日 (金)

『ハイペリオン』下巻 (本:2004/10/15)

<読了>
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』下巻(ハヤカワ文庫SF)
古賀亮一『ニニンがシノブ伝』第3巻(メディアワークス/DENGEKI COMICS EX)

<購入>
『S-Fマガジン』11月号(早川書房
『月刊コミックビーム』11月号(エンターブレイン

ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』面白いですねー。下巻は上巻よりさらに面白くなってました。特に、「シュライク」によって肉体が時間を遡る(つまり若返る)病気(?)になり、大切な人生の記憶と人とのつながりを文字通り一日一日失っていく女性の姿を、その父親が語る物語として描いている第四章「学者の物語:忘却の川の水は苦く」は、訳者解説にも書いてありましたがダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』風の切なさがあって良いです。でもこの物語をさらに良くしているのは、そういう切なさの中にある甘美さです。娘が一日一日若返っていくというのは、昔の思い出の中の娘が甦っていくということでもあるわけで、これは実は「あの日に帰りたい」的な欲望を実現している物語でもある。もっとも、物語の中では親としてのつらさと切なさだけが語られているわけで、甘美とか言ってられるのは僕が親になったことがないからかも知れませんけど。

投稿者 enyu : 2004年10月15日 23:59

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