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2005年03月21日 (月)
噛み合わない対談 (本:2005/03/21)
<購入>
クリストファー・プリースト/古沢嘉通訳『魔法』(ハヤカワ文庫FT)
クリストファー・プリースト/古沢嘉通訳『奇術師』(ハヤカワ文庫FT)
ジェイムズ・P・ホーガン/小隅黎訳『造物主の掟』(創元SF文庫)
『S-Fマガジン』4月号(早川書房)
『週刊朝日別冊 小説トリッパー』2005年春季号(朝日新聞社)
『週刊ビッグコミックスピリッツ』No.16(小学館)
ライトノベルを巡る言説のブームがここ2年ぐらいずっと続いているわけですが、『小説トリッパー』2005年春季号は、「特集 ポストライトノベルの時代へ」。巻頭の、大塚英志さんと斎藤環さんの対談「ライトノベルをめぐる言説について」は、お二人の噛み合わなさっぷりが面白いです。このブームの中で批評が果たすべき役割について語られているのですが、近代文学の「やり直し」のために、あくまで真面目に作家や読者に対する「外部」となる批評を行うべきだとする大塚さんに対して、斎藤さんは批評を「肯定的にやる」と言って、それは自分の「自己表現・自己表出」だと言ってしまっています。一時的なブームの共犯者としては斎藤さんの立ち位置も“あり”だとは思いますが、「近代」とかといったことは抜きで単純に考えても、このブームが終わった後でも面白い作品が生まれ続けるようにするには、大塚さんのように厳しい親父みたいな立場で色々言う人が必要なのは間違いないです。そして、そういうのがやっぱり「批評」なんでしょうね。
投稿者 enyu : 2005年03月21日 23:59
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