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2006年01月02日 (月)

『影との戦い ゲド戦記I』読了(本:2006/01/02)

<読了>
アーシュラ・K・ル=グウィン/清水真砂子訳『影との戦い ゲド戦記I』(岩波書店

全6冊のうちの1冊目を読みました。少年ゲドが魔法使いとして青年になり、その過程で自分の傲慢が生み出してしまった「影」と対峙するというストーリーの寓意性と、その中で世界の「均衡」や言葉の大切さ、礼儀の大切さが巧みに語られる構成が素晴らしいです。自分に子供がいたら間違いなく読ませたいですね。でも、同時期に書かれた同じ著者の『闇の左手』を先に読んでいる身からすると、『闇の左手』に色濃くあったフェミニズム的視点がこの本には全く感じられないのが不思議でした。物語世界の「アースシー」で社会的地位が高いとされる「魔法使い」は皆男性で、女性はほとんど活躍せず、出て来たとしてもゲドを惑わす魔女だったりという具合で、昔ながらの性別キャラクター設定をそのまま使っている感じです。…と書きながらも、3冊目までの三部作が出てからだいぶ後になって出版された4冊目『帰還 ゲド戦記最後の書』でその辺りも含めてひっくり返されるとなんとなく聞いているので、読むのがさらに楽しみになって来ました。

影との戦い―ゲド戦記 1
アーシュラ・K. ル・グウィン 清水 真砂子 Ursula K. Le Guin
岩波書店 (2000/00)
売り上げランキング: 27,400

投稿者 enyu : 2006年01月02日 16:24

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