2006年07月26日 (水)

細田守監督『時をかける少女』(映画:2006/07/26)

<7月26日に観た映画>
『時をかける少女』テアトル新宿

言わずと知れた筒井康隆『時をかける少女』(角川文庫)が原作の、細田守監督作品。実は3日前の日曜日にも劇場に行ったのですが、あまりにも混んでいたので観るのを止めてました。今日も平日の午前10:10からの回なのに開場前から列が出来ていて、満席の状態。既に観た人達の間で非常に評価が高いのでこの混雑ぶりもむべなるかなという感じではありますが、こうなると上映館の少なさ(都内はテアトル新宿だけ)がますます残念ですね。
というわけでかなり期待して観に行きましたが、素晴らしい出来でした。名作の部類に入る映画だと思います。まず大前提としてアニメーションが気持ちよく動くし、舞台となる街を最高のレベルで描いた背景美術も素晴らしい。演出的な面で言うと、物語の肝である「タイムリープ」によって、主人公に全身全霊をかけた“繰り返しギャグ”をやらせている、というのがとても上手だと思いました。結構笑えます。ストーリー面では、ネタバレになるのであまり書きませんが、科学文明が発達したどちらかと言うと進歩史観的な「未来」を想定していた40年前の原作とは少し違って、この映画では現代的な感覚での不安な「未来」を暗示しているところが印象的です。そんな「未来」に不安はあるけど、待っているだけではなくて自ら前に向かおうとする主人公の姿が、今を生きる(『健全』な)若者の感覚に合っているといいな、と期待を込めて(他人事のように)思いました。
ところで原作本も「新装版」が出たんですね。僕が持っているのは内田有紀さんが表紙のもので、多分1994年にフジテレビで内田有紀さん主演でドラマシリーズが放送された時にカバーを替えて出されたものなんですが、大林宣彦監督の映画が公開された時(1983年)には当然そのビジュアルでカバーを付けてたはずだと思いますので、一体今まで何回カバーが変わってるんでしょうか? 本当に息の長い作品ですよね。

時をかける少女 〈新装版〉
筒井 康隆
角川書店 (2006/05/25)

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2006年03月02日 (木)

『S-Fマガジン』創刊600号 & 『楽園の泉』読了(本:2006/03/02)

<購入>
『S-Fマガジン』4月号(早川書房

<読了>
アーサー・C・クラーク/山高昭訳『楽園の泉』(ハヤカワ文庫SF)

『S-Fマガジン』は「創刊600号記念特大号」。50年続いているというのはやはり立派ですよね。それから『楽園の泉』ですが、素晴らしかったです。ひとつひとつの場面が圧倒的に美しくて、過去と現代(22世紀ですが)の場面を因縁でつないで行き来する構成も面白い。今までアーサー・C・クラークの小説はかなりの数読んで来ましたが、これはその中でもベストに近いです。1979年に書かれたものですが、作品内で描かれている22世紀の世界でのコンピュータネットの姿が、現代のインターネットを使う身から見ても全く違和感がなくて、作者の先を見る目の確かさにも改めて感心しました。

楽園の泉
楽園の泉
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アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke 山高 昭
早川書房 (2006/01)

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2006年02月16日 (木)

『SFが読みたい!』& 映画『ドラえもん』特集(本:2006/02/16)

<購入>
SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2006年版』(早川書房
『クイック・ジャパン』vol.64(太田出版

毎年恒例の『SFが読みたい!』が今年も出ました。誌上で発表されている「ベストSF2005」の国内篇第1位は小川一水『老ヴォールの惑星』(ハヤカワ文庫JA)、海外篇第1位はグレッグ・イーガン/山岸真訳『ディアスポラ』(創元SF文庫)。両方とも読みましたが、1位にふさわしい内容だったので納得。『クイック・ジャパン』vol.64は特集「永久保存版 映画『ドラえもん』」。『ドラえもん のび太の恐竜2006』公開記念ということですが、芝山努さん他による過去の映画『ドラえもん』全25作品の解説などがあって、熱い企画ですねー。永久保存しますよ。

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2006年02月11日 (土)

『航路』下巻読了(本:2006/02/11)

<読了>
コニー・ウィリス/大森望訳『航路』下巻(ソニー・マガジンズ

面白かったです。上・下巻合わせて全3部に分かれているのですが、第2部の終わりでの衝撃的な展開には本当にびっくりしました。全体として非常に上手に構成されているので、最後に心臓病の女の子「メイジー」が経験する、物語の終着点として全ての要素が収束した形で起こる出来事には、特に意外性はなくて作者の意図がわかってはいるんだけれども思わず感動してしまいます。テーマである「臨死体験」の描写を通じては、「死」が宗教性を排除して比喩の形で非常に冷徹に描かれていて、特に第3部では怖くなるほどです。だから、最後に少しだけ出てくる宗教的なイメージは蛇足に感じました。そこだけは意味がよくわかりませんでしたね…。

航路(下)
航路(下)
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コニー ウィリス 大森 望
ソニーマガジンズ (2002/10/08)
売り上げランキング: 13,635

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2006年02月02日 (木)

本:2006/02/02

<購入>
有川浩『海の底』(メディアワークス
伊坂幸太郎『魔王』(講談社
林譲治『ストリンガーの沈黙』(早川書房/ハヤカワSFシリーズJコレクション)
原作:BONES/漫画:片岡人生、近藤一馬『交響詩篇エウレカセブン』第3巻(角川書店/角川コミックス・エース)

積ん読本を減らそうとは思っているんですが、またいろいろ買ってしまいました。

海の底
海の底
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有川 浩
メディアワークス (2005/06)
売り上げランキング: 2,563
魔王
魔王
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伊坂 幸太郎
講談社 (2005/10/20)
ストリンガーの沈黙
ストリンガーの沈黙
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林 譲治
早川書房 (2005/11)
交響詩篇エウレカセブン (3)
片岡 人生 近藤 一馬 BONES
角川書店 (2006/01/26)

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2006年02月01日 (水)

『航路』上巻読了(本:2006/02/01)

<購入>
『週刊少年サンデー』No.9(小学館

<読了>
コニー・ウィリス/大森望訳『航路』上巻(ソニー・マガジンズ

コニー・ウィリス『航路』は、臨死体験を題材にしたSF医学ミステリー(&コメディ)。SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2003年版』(早川書房での「ベストSF2002」海外篇第1位の本です。2004年の3月に購入してから今まで積んでいて、その間に文庫化もされてしまっていましたがようやく読みました。引き続き下巻も読み進め中。

航路(上)
航路(上)
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コニー ウィリス 大森 望
ソニーマガジンズ (2002/10/08)
売り上げランキング: 13,014

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2006年01月08日 (日)

『空の中』読了(本:2006/01/08)

<購入>
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第11巻〜第13巻(講談社/講談社コミックスキス)

<読了>
有川浩『空の中』(メディアワークス
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第11巻〜第13巻(講談社/講談社コミックスキス)

有川浩『空の中』は、原因不明の航空事故が連続して起こったという状況の中で、一組の男女と一組の少年少女が知性を持った謎の生物に出会う話。最高に面白かったです。SF的要素はもちろん、恋愛要素やジュブナイル、航空産業の疑似ドキュメンタリー的要素など、いろいろなネタが過不足無く織り込まれていてバランスがとても良いし、登場人物の話す土佐弁で醸し出される雰囲気にも独特の味があります。あと、主人公の一人である事故で父親を亡くした少年は、「間違った」ことを悔いて悩みさらに「間違って」しまうのですが、この「間違う」という言葉の使い方が印象的でした。ここでは、人と人(この作品の場合は“人”に限りませんが)との関係を壊してしまうような行いをしてしまうこと、といった限定的な意味で使われていて、作品全体を通じて、「間違え」てしまったらどうすべきなのか、ということがテーマになっています。終盤でその答えを語る「宮じい」の言葉は清々しいほどに明快で、思わず信じてしまいそうになります。

空の中
空の中
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有川 浩
メディアワークス (2004/10/30)
売り上げランキング: 4,157
のだめカンタービレ (11)
二ノ宮 知子
講談社 (2005/01/13)
売り上げランキング: 141
のだめカンタービレ (12)
二ノ宮 知子
講談社 (2005/05/13)
売り上げランキング: 119
のだめカンタービレ (13)
二ノ宮 知子
講談社 (2005/09/13)
売り上げランキング: 9

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2005年12月25日 (日)

『シャドウ・パペッツ』読了(本:2005/12/25)

<読了>
オースン・スコット・カード/田中一江訳『シャドウ・パペッツ』(ハヤカワ文庫SF)
小林尽『スクールランブル』第11巻(講談社/講談社コミックス)
久米田康治『さよなら絶望先生』第2巻(講談社/講談社コミックス)

『シャドウ・パペッツ』昨年の10月に買っておいて今まで読んでいなかったのですがようやく読みました。オースン・スコット・カードの代表作『エンダーのゲーム』シリーズの姉妹篇シリーズのうち、翻訳されている中での最新作です。前作の最後で少しほのめかされていたので予想はしていたものの、まさかここまでビーンとペトラが…。というのが最初の印象でしたが(ラブコメみたいで面白かったですけど)、“ヘゲモン”ピーターが従来のイメージを裏切るような子供っぽさを両親との会話の中で見せるところや、前作から続く国家や組織の間でのパワーゲームの展開はさすがに面白かったです。中国が徹底的に悪者になっていることと、イスラムの描写があっさりし過ぎているのが気にはなりましたが。でもカードの作品はやっぱりどこまで行っても“子供”や“家族”が重要なテーマなんですね。特に『消えた少年たち』がそうでしたが、どの作品でも、著者が子供や家族に対して持っているであろう倫理観が、決して硬直化した形ではなく論理的な議論としてストーリーの中に書き込まれていて、感心します。

シャドウ・パペッツ
シャドウ・パペッツ
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オースン・スコット カード Orson Scott Card 田中 一江
早川書房 (2004/10)
売り上げランキング: 67,518
School Rumble Vol.11 (11)
School Rumble Vol.11 (11)
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小林 尽
講談社 (2005/12/16)
さよなら絶望先生 2 (2)
久米田 康治
講談社 (2005/12/16)

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2005年12月18日 (日)

積ん読本を少しだけ消化(本:2005/12/18)

<読了>
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』第1巻〜第4巻(講談社/講談社コミックスキス)
青山景『SWWEEET』第1巻(小学館/IKKI COMIX)
星野之宣『ムーン・ロスト』第1巻、第2巻(講談社/アフタヌーンKCデラックス)
橋本紡『半分の月がのぼる空2 waiting for the half‐moon』(電撃文庫

昨日買った『のだめカンタービレ』以外は、買ってからしばらく放っておいたいわゆる積ん読本。読みたい本が家にたくさん並んでいるというのは実は楽しい状態なのかも知れませんが、このペースだと絶対全部読めないよ…。

のだめカンタービレ(1)
二ノ宮 知子
講談社 (2002/01)
売り上げランキング: 85
のだめカンタービレ (2)
二ノ宮 知子
講談社 (2002/04/12)
売り上げランキング: 111
のだめカンタービレ (3)
二ノ宮 知子
講談社 (2002/08/09)
売り上げランキング: 118
のだめカンタービレ (4)
二ノ宮 知子
講談社 (2002/12/13)
売り上げランキング: 134
SWWEET 1
SWWEEET 1
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青山 景
小学館 (2005/10/28)
ムーン・ロスト 1 (1)
ムーン・ロスト 1 (1)
posted with amazlet on 05.12.24
星野 之宣
講談社 (2004/07/23)
売り上げランキング: 9,617
ムーン・ロスト 2 (2)
ムーン・ロスト 2 (2)
posted with amazlet on 05.12.24
星野 之宣
講談社 (2004/07/23)
売り上げランキング: 13,114
半分の月がのぼる空〈2〉waiting for the half‐moon
橋本 紡
メディアワークス (2004/02)
売り上げランキング: 1,996

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2005年12月06日 (火)

『ウロボロスの波動』読了(本:2005/12/06)

<読了>
林譲治『ウロボロスの波動』(ハヤカワ文庫JA)

2100年代、太陽系内の隅々にまで人類が進出した時代を舞台にした連作短編集。ある短編に出て来た登場人物が別の短編に年をとって出て来たりする連作ならではの楽しさもありつつ、人間の意識についての考察や、組織と個人の関係に技術や環境が与えるであろう影響についてのSFならではのシミュレーションがされていて、非常に面白かったです。最後のある意味かなり破天荒な展開には結構びっくりしましたし。続編の『ストリンガーの沈黙』(早川書房/ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)がこの10月に出たのですが、文庫になるまで買うのを待つか、それとも買ってしまうかちょっと悩んでます。

ウロボロスの波動
ウロボロスの波動
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林 譲治
早川書房 (2005/09/22)
売り上げランキング: 85,467

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2005年11月27日 (日)

『KURAU Phantom Memory』マンガ版(本:2005/11/27)

<読了>
原作:BONES/脚本:IRICOMIX/漫画:星樹『KURAU Phantom Memory』(講談社/マガジンZKC)

5月に買っておいて読んでいなかったのですが、積ん読本をそろそろ消化していかないといけないと思い、読みました。去年の12月に放送終了したアニメの『KURAU Phantom Memory』は記憶と人と人とのつながりの大切さを描いた良作でしたけど、アニメとは違うオリジナルストーリーで構成されたこのマンガ版も、その同じテーマがよく凝縮して描けていて素晴らしかったです。

KURAU Phantom Memory
KURAU Phantom Memory
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星 樹
講談社 (2005/05/23)
売り上げランキング: 42,830

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2005年11月08日 (火)

『ディアスポラ』読了(本:2005/11/08)

<読了>
グレッグ・イーガン/山岸真訳『ディアスポラ』(ハヤカワ文庫SF)

グレッグ・イーガンの作品にはそのアイデアの派手さや論理の緻密さにいつも驚かされるのですが、この作品のスケールの大きさにはこれまで以上に驚きました。宇宙の起源や終焉を扱ったSF作品は今までもありましたけど、これはそれすら超えています。このスケールの大きさを支えているのが、数学の理学博士号を持つという作者だからこそ扱える数学の理論なのですが、リーマン空間とかN次元球面とか、5次元とか6次元とか超実平面とか言われても、そういう空間の中での幾何学をイメージするのが一番苦手な僕には全く理解できませんでした。まあ理解できなくてもほとんど問題なく楽しめる作品なのですが、数学ができなくてこんなに残念に思ったのは受験の時以来です。

ディアスポラ
ディアスポラ
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グレッグ・イーガン 山岸 真
早川書房 (2005/09/22)
売り上げランキング: 2,418

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2005年11月05日 (土)

本:2005/11/05

<購入>
あさりよしとお『るくるく』第5巻(講談社/アフタヌーンKC)
桜場コハル『みなみけ』第2巻(講談社/ヤンマガKC)
早川書房編集部編『星界マスターガイドブック』(ハヤカワ文庫JA)
三浦展『下流社会 新たな階層集団の出現』(光文社新書)

10月30日の朝日新聞の書評欄に載っていた石原千秋『国語教科書の思想』(ちくま新書)も買おうと思ったのですが、紀伊國屋書店新宿本店では売り切れで買えませんでした。店員の方曰く書評が掲載された日からどんどん売れたそうです。新聞の書評欄ってまだ結構力があるんですねえ。

るくるく 5 (5)
るくるく 5 (5)
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あさり よしとお
講談社 (2005/10/21)
売り上げランキング: 847
みなみけ 2 (2)
みなみけ 2 (2)
posted with amazlet on 05.11.23
桜場 コハル
講談社 (2005/11/04)
星界マスターガイドブック
早川書房編集部
早川書房 (2005/10/14)
下流社会 新たな階層集団の出現
三浦 展
光文社 (2005/09/20)
売り上げランキング: 362

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2005年11月01日 (火)

CODE46 (映画:2005/11/01)

<11月1日に観た映画>
『CODE46』WOWOW:11月1日)

前から気になっていた映画で、ちょうどいい時間に放送があったので観ました。WOWOWの映画解説だとこの映画は「1組の男女の気になる恋の行方を切ないタッチで綴る」ラブストーリーだということになっていて、確かにそういう風にも単純に観られますが、この映画にはそれよりももう少し広めのテーマがあるように思いました。つまり、個人のアイデンティティは何に拠って立つものなのか、ということです。劇中では、タイトルにもなっている「CODE46」という遺伝子に関する厳しい規則があって、それを破った人間の記憶が簡単に消されたりするわけですが、人を強く規定するものである「記憶」や「遺伝子」が政府(もしくは大企業?)によって完全に管理されている社会では、人間は自分のアイデンティティの根拠を何に求められるのか。ティム・ロビンスとサマンサ・モートンが演じる2人は、その根拠をお互いの関係性に求めた、と言えます(そういう意味ではこれはやはり純粋なラブストーリーです)。ティム・ロビンスは人に会うたびに"Tell me something about yourself."と言ってその人のことを聞こうとしますが、それに対してほとんどの人が自分と誰かとの関係を語っているのも印象的です。人と関わることで人は自分を規定していく、ということを改めて思い出させてくれる映画でした。UKな音色の音楽も雰囲気が出ていて素晴らしいです。

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2005年04月07日 (木)

『太陽の簒奪者』読了 (本:2005/04/07)

<読了>
野尻抱介『太陽の簒奪者』(ハヤカワ文庫JA)

面白かったです。SFらしいSF。ストーリー構成はハリウッドでそのまま映画にできそうな感じで(誉めてないように聞こえそうですが誉めてますよ)、よく出来ています。解説にも「ハードSFの王道」という評価がありましたが、まったくその通りで、昔アーサー・C・クラークの小説ばかり読んでた頃の胸が躍る感覚を思い出しました。

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2005年04月02日 (土)

本:2005/04/02

<購入>
森薫『エマ』第5巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)
野尻抱介『太陽の簒奪者』(ハヤカワ文庫JA)

<読了>
森薫『エマ』第5巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)

野尻抱介『太陽の簒奪者』は前から読みたかった本。今回文庫になったようなので購入しました。

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2005年03月31日 (木)

『象られた力』読了 (本:2005/03/31)

<読了>
飛浩隆『象られた力』(ハヤカワ文庫JA)

<購入>
『月刊ガンダムエース』5月号(角川書店
『週刊少年サンデー』No.18(小学館

飛浩隆『象られた力』は、4作の中篇が収められた傑作集で、SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2005年版』(早川書房での「ベストSF2004」国内篇第1位の本。さすがと言うべきか、特に表題作の「象られた力」は、異様に鮮明なビジュアルを想起させる文章が高い密度で連ねられていて、読んでいて少し気持ち悪いのに気持ちいい作品です。アイコンとかシンボルといったものが持つ力(と言うより、それらがそういう力を持っていると人々に思わせる力)、つまり究極的には社会や秩序を成り立たせている力の不思議さを語っているように思えました。このビジュアルは是非誰かに映画化して欲しいですね。まあ大ヒットはまず無理でしょうけど…。

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2005年03月21日 (月)

『復活の地 III』読了 (本:2005/03/20)

<読了>
小川一水『復活の地 III』(ハヤカワ文庫JA)

『復活の地』全3巻読み終わりました。大変面白かったです。政治ドラマとしての緊迫感は充分で、それを描く中で、組織を効率良く動かすにはどうすれば良いのか、社会秩序とは何か、ということが緻密に考えられています。著者の小川一水さんは相当いろいろ研究したんでしょうね。大地震の原因として登場するモノの存在も、SFとしてかなり斬新なアイデアなのではないでしょうか(似たようなのが他で描かれているのかも知れませんが寡聞にして知りません)。あと、これが重要な点ですが、萌えもしっかりあります。素晴らしい。

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2005年03月18日 (金)

『復活の地 II』読了 (本:2005/03/18)

<読了>
小川一水『復活の地 II』(ハヤカワ文庫JA)

この第2巻の最後で地震の原因が明らかになっていますが、すごい発想ですね。感心しました。

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2005年03月16日 (水)

本:2005/03/16

<購入>
『週刊少年サンデー』No.16(小学館
小川一水『導きの星 I 目覚めの大地』(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)
小川一水『導きの星 II 争いの地平』(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)
小川一水『導きの星 III 災いの空』(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)
小川一水『導きの星 IV 出会いの銀河』(ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ)

『導きの星』は読むのがかなり楽しみです。でもその前に今読んでる『復活の地』を読み終えないと。

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2005年03月12日 (土)

『復活の地 I』読了 (本:2005/03/12)

<読了>
小川一水『復活の地 I』(ハヤカワ文庫JA)

非常に面白いです。大地震という悲劇の中ではありますが、能力のある人がその能力を存分に発揮していく様子は読んでいて痛快。官僚である主人公が大活躍する話なので、霞が関辺りで実は流行ってたりして。IIも引き続き読んでます。

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2005年03月11日 (金)

本:2005/03/11

<購入>
太田垣康男『MOONLIGHT MILE』第10巻(小学館/ビッグコミックス)
『月刊ニュータイプ』4月号(角川書店
『アニメージュ』4月号(徳間書店
『月刊コミックビーム』4月号(エンターブレイン

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2005年03月05日 (土)

『イリヤの空、UFOの夏』アニメ (DVD:2005/03/05)

<購入>
『イリヤの空、UFOの夏』第1巻(BIBA-5401)

全巻収納ボックス付きを買いました。全6巻を揃えるまで見ないかも。

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2005年03月04日 (金)

『闇の左手』読了 (本:2005/03/03)

<読了>
アーシュラ・K・ル・グィン/小尾芙佐訳『闇の左手』(ハヤカワ文庫SF)

<購入>
『週刊少年サンデー』No.14(小学館

アーシュラ・K・ル・グィンと言えば『ゲド戦記』が有名ですが、僕は読んだことが無いので、彼女の作品はこの『闇の左手』が初めてです。ジェンダー論のネタに幾度となくされてきたであろう、「ゲセン人」が発情期以外では生理的な性の区別を持たない(→社会的な性の区別も無い)という設定はやはり非常に斬新で、発表されてから30年以上経った今読んでも新しさを感じます。性の要素を排除してしまうと、その設定自体を描いている段階では良いかも知れませんが、なんだかんだ言って物語を動かしにくくなってくるでしょうから描くのは難しいと思うのですが、この物語では二人の人間の友情(愛情)が感動的に描かれていて感心しました。とは言え、性は無いはずのゲセン人「エストラーベン」も、読んでいる時の僕の頭の中ではやはり男性のイメージでしたけどね…。三人称が「彼」だし。なかなか難しいものです。

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2005年02月26日 (土)

書評を信じて買う (本:2005/02/26)

<購入>
アーシュラ・K・ル・グィン/小尾芙佐訳『言の葉の樹』(ハヤカワ文庫SF)
飛浩隆『象られた力』(ハヤカワ文庫JA)
小川一水『復活の地 I』(ハヤカワ文庫JA)
小川一水『復活の地 II』(ハヤカワ文庫JA)
小川一水『復活の地 III』(ハヤカワ文庫JA)
有川浩『空の中』(メディアワークス

「最近積ん読本が増えた」とか書いておきながらまた本を購入。アーシュラ・K・ル・グィン/小尾芙佐訳『言の葉の樹』以外は、最近のガイド本や書評で評判が良かったり推薦されていたりした本です。飛浩隆『象られた力』小川一水『復活の地』は、SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2005年版』(早川書房での「ベストSF2004」の国内篇第1位と第3位で、有川浩『空の中』は、どこに載った書評だか忘れましたがどこかで大森望さんが絶賛していたもの。どれも楽しみです。積ん読にせず読みます。なるべく。

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2005年02月15日 (火)

現実と虚構 (本:2005/02/15)

<読了>
山田正紀『エイダ』(ハヤカワ文庫JA)

「現実」とは何か、「物語」(虚構)とは何か、ということを主題に展開するSF小説ですが、偶然だと思うんですけど、最近読んだこれこれも近いテーマを扱ってました。その中では、刊行された年が一番早い(1994年)こともあると思いますが、「現実」の捉え方は一番ナイーブな感じです。どれぐらいナイーブかと言うと、『新世紀エヴァンゲリオン』(1995〜1996年)ぐらい、と言えばわかる人はわかるでしょうか。「現実」と「虚構」が互換可能なのではないか、という議論は当時はまだ目新しかったんでしょうね。

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2005年02月09日 (水)

SFが読みたい! 2005年版 (本:2005/02/09)

<購入>
SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2005年版』(早川書房
『週刊少年サンデー』No.11(小学館

今年も出ました『SFが読みたい!』。一応最初の2000年版から毎年買っているのでこれで6冊目。「ベストSF2004」の海外篇第1位はグレッグ・イーガン/山岸真訳『万物理論』(創元SF文庫)ということで、イーガンの人気ぶりが改めてわかりますね。実際素晴らしい作品だったので納得です。ランキングの上位に入っているのに全然知らない本も結構あったので、やっぱりまだ読書が足りないということを実感しました。これからどんどん読みたいです。

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2005年02月05日 (土)

タイムライン (映画:2005/02/05)

<2月5日に観た映画>
『タイムライン』WOWOW:1月29日)

マイケル・クライトンの小説が原作のタイムスリップものの映画ですが、どうも人の死に重みが感じられないところがいまいちでした。比べても仕方ないですけど、大学の研究者達が中世フランスへタイムスリップするというところが共通しているコニー・ウィリス/大森望訳『ドゥームズデイ・ブック』(ハヤカワ文庫SF)とはその点に大きな差がありますね。こっちは映画になっていませんけど。

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2005年01月29日 (土)

ヘウレーカ (本:2005/01/29)

<購入>
『日経キャラクターズ!』3月号(日経BP社
『S-Fマガジン』3月号(早川書房
吉田直『トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons フロム・ジ・エンパイア』(角川スニーカー文庫)
アーシュラ・K・ル・グィン/小尾芙佐訳『闇の左手』(ハヤカワ文庫SF)
岩明均『ヘウレーカ』(白泉社/JETS COMICS)

<読了>
岩明均『ヘウレーカ』(白泉社/JETS COMICS)

岩明均『ヘウレーカ』『ヒストリエ』と同じく歴史世界を舞台にしたもので面白いです。1巻で終わりで、ちょうど2時間の映画にできそうな分量。

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2005年01月23日 (日)

トリニティ・ブラッド (本:2005/01/23)

<読了>
吉田直『トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars 嘆きの星』(角川スニーカー文庫)
原作:吉田直/作画:九条キヨ『トリニティ・ブラッド』第3巻(角川書店/あすかコミックス)

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2005年01月20日 (木)

『万物理論』読了 (本:2005/01/20)

<読了>
グレッグ・イーガン/山岸真訳『万物理論』(創元SF文庫)

グレッグ・イーガン作品はSF的アイデアの緻密さと論理の跳躍の派手さという点では折り紙付きなので、この作品もそこは期待通りで面白かったのですが、本作は特に彼の倫理観というか主張がよく出ていて、そこが何より素晴らしかったです。『祈りの海』(ハヤカワ文庫SF)でも明確にされていた宗教に対する不信感は相変わらずなのですが、ここではさらに、他者を代弁することの傲慢さや「大きいHワード」としての一面的なヒューマニズムを押しつけることの暴力性への批判、既存のジェンダーとセクシュアリティの枠組みから自由になった生き方の提示(『汎性』)など、近年の社会学周辺でもトピックスとなっている事柄を巧みに取り扱っていて恐れ入ります。この作品が発表されたのが1995年で今から10年も前だというのが信じられないぐらいです。それから、SF的アイデアの方の肝である「万物理論」についての話は、世界内存在としての人間が、同時にその世界を想像(創造)するというのがどういうことなのかという話で、以前に「よくわからない」と書いた永井均『私・今・そして神 −開闢の哲学』(講談社現代新書での議論と通底するものがある感じです。なのでもう一回読んだらそっちも少し理解できるかも。

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2005年01月04日 (火)

『放浪息子』第3巻読了 (本:2005/01/04)

<購入>
柳沼行『ふたつのスピカ』第7巻(メディアファクトリー/MFコミックス)
作:冲方丁/画:伊藤真美『ピルグリム・イェーガー』第4巻(少年画報社/YKコミックス)
『S-Fマガジン』2月号(早川書房
『週刊ビッグコミックスピリッツ』No.5・6合併号(小学館

<読了>
志村貴子『放浪息子』第3巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)

志村貴子『放浪息子』はとてもいいです。かつて小学生男子だったおまえらはこれ読んで反省すること。

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2005年01月02日 (日)

『第六大陸』読了 (本:2005/01/02)

<購入>
橘木俊詔 編著『封印される不平等』(東洋経済新報社
グレッグ・イーガン/山岸真訳『万物理論』(創元SF文庫)

<読了>
小川一水『第六大陸 2』(ハヤカワ文庫JA)

『第六大陸』は面白くて2巻目もすぐ読んでしまいました。これはアニメにしたいですねー。もう誰か企画してるんでしょうか? あとがきで紹介されていた絵本、加古里子『宇宙 ―そのひろがりをしろう―』(福音館書店は僕も昔好きでよく読んでました。懐かしいです。加古里子(かこさとし)さんの絵本は、他には「からだの本」シリーズが大好きでほんとによく読んでましたね。

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2005年01月01日 (土)

王道の美少女キャラクター (本:2005/01/01)

<読了>
小川一水『第六大陸 1』(ハヤカワ文庫JA)

民間企業が月面開発をしようとする話の1巻目。小川一水さんの作品は初めて読むのですが、評判通りこれは相当面白いですね。ただ、キャラクター(特に女性キャラクター)のセリフ回しが必要以上にアニメっぽい、というかキャラクター小説っぽいのが他の部分のリアリティのレベルと少しずれた感じがして気にはなりました。とは言え、ヒロインの「妙」がそのおかげですごくかわいいです。『月詠 -MOON PHASE-』のヒロイン「葉月」と、性格とか口調とか年齢が似てたのでダブって見えました。ちょっと淋しげで高飛車、でも実は素直、という王道の美少女キャラクターってことですかね。ところで、月には死ぬまでに一度は行ってみたいと思ってるのですが、一般人が観光で行けるぐらいになるまでにあと何年ぐらいかかるんでしょうか。うーんぎりぎりかな…。

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アライバル ファイナル・コンタクト (映画:2005/01/01)

<1月1日に観た映画>
『アライバル ファイナル・コンタクト』WOWOW:11月26日)

あのカール・ルイスも出演しているファーストコンタクトものSF映画。WOWOWの映画解説で結構ほめられてたので楽しみにしていたのですが、いろいろネタを盛り込んでいるわりに消化しきれていなくていまいちでした。

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2004年12月28日 (火)

『星界の戦旗IV』読了 (本:2004/12/28)

<読了>
森岡浩之『星界の戦旗IV 軋む時空』(ハヤカワ文庫JA)

<購入>
『週刊ビッグコミックスピリッツ』1.27増刊(『増刊ビッグコミックスピリッツCasual』No.3)(小学館

森岡浩之『星界の戦旗IV 軋む時空』ですがあっさりと読み終わりました。今度は弟くんも活躍するようですね。この「星界」の世界設定には慣れきっていてアニメ版も見ているので、特殊な宇宙空間(『平面宇宙』)などでの戦闘シーンも頭の中ではっきりビジュアルを描きながら読めるのですが、そういう戦闘の描写の中で今回特に面白かったのは宇宙艦が集団で「超高加速」をする場面。迫力がありました。僕がこのシリーズで一番好きな部分は主人公二人の間にある奇妙な信頼関係の描写なのですが、こういう戦闘の場面も面白いですね。この「IV」の終わりはものすごく中途半端だったので、次の「V」はせめて半年以内には出して欲しいところです。6月ぐらいかな…。

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2004年12月26日 (日)

『プラネテス』DVD最終巻 (DVD:2004/12/26)

<購入>
『プラネテス』第9巻(BCBA-1802)

最終巻です。これで全巻揃ったのですがまだ全然見てないんですよね…(放送では見ました)。

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「Stuff」 (本:2004/12/26)

<購入>
志村貴子『放浪息子』第3巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)
幸村誠+モーニング編集部『ふたごのプラネテス Comic, Animation & Stuffs』(講談社/モーニングKCピース)
『月刊アフタヌーン』2月号(講談社
『月刊ガンダムエース』2月号(角川書店

幸村誠+モーニング編集部『ふたごのプラネテス Comic, Animation & Stuffs』はDVD付きの本。「Stuffs」って「Staffs」のスペルミスかと思ったんですけど、奥付とか表紙とか全てがそうなってるので、間違いではなさそうです。「素材」とか「資料」といった意味で「Stuff」なんでしょうかね。設定資料とか載ってるし。

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2004年12月23日 (木)

Phantom Memory (アニメ:2004/12/23)

<12月23日に見たアニメ>録画して見たものも含め見た順に並んでます
『BECK』第11話テレビ東京:12月15日)
『KURAU Phantom Memory』第24話(最終話)テレビ朝日:12月15日)

『KURAU Phantom Memory』はこの最終話で「Phantom Memory」の意味がはっきりしましたね。なるほど、という感じです。独特な良いSFアニメでした。こういうのがテレビアニメとして放送されているというのは今のアニメの状況も悪いばかりではないということでしょうね。

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2004年12月21日 (火)

星界シリーズ新作発売 (本:2004/12/21)

<購入>
森岡浩之『星界の戦旗IV 軋む時空』(ハヤカワ文庫JA)

「星界」シリーズの新作がやっと出ました。本日発売。前作の『星界の戦旗III 家族の食卓』が出版されたのが2001年の3月なので、3年半以上ぶりです。でも待たされた割に本が結構薄いな…。

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2004年11月30日 (火)

「伝統」 (本:2004/11/30)

<購入>
『S-Fマガジン』1月号(早川書房
『ファウスト』Vol.4(講談社
『Comic新現実』vol.2(角川書店
『このライトノベルがすごい!2005』(宝島社
原作:富野由悠季/作画:中村嘉宏『オーバーマン キングゲイナー』第3巻(メディアファクトリー/MFコミックス)
あずまきよひこ『よつばと!』第3巻(メディアワークス/電撃コミックス)
太田垣康男『MOONLIGHT MILE』第9巻(小学館/ビッグコミックス)
安彦良和『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第8巻(角川書店/角川コミックス・エース)

<読了>
大塚英志『「伝統」とは何か』(ちくま新書)

本を大量に買いました。でも最近読むペースが買うペースに全く追いついていなくて、たまる一方です…。大塚英志『「伝統」とは何か』は、「伝統」とは近代において作られたものであるということをふまえて(ふまえるまでの議論もちゃんとされてます)、「伝統」に頼ることなく「私」たち(『私たち』ではなく)が共に生きていくにはどうすれば良いのかということを、柳田國男の民俗学を題材に論じてます。結論としては、そのためには「近代」的な主体としての「私」たちがお互いに言葉で交渉しあう中で「共存できる価値」(=『公共性』?)を創りだすことだ、ということになっています。確かにその通りだと思うんですけど、でも、「伝統」の「伝統」性を疑わず、それに身を委ねてしまう人が多い中で、それはかなりハードルが高いようにも思います。結局は、「共存できる価値」として、より無害な「伝統」を捏造し続けるのが良いのかも知れませんね。

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2004年11月17日 (水)

ハイペリオンの没落

<読了>
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオンの没落』下巻(ハヤカワ文庫SF)

『ハイペリオン』二部作読み終わりました。巻末にある大森望さんの解説でも絶賛されていましたが、最高に面白かったです。あと特筆すべきだと思うのは、酒井昭伸さんによる訳文の良さ。漢語の使い方が上手で、文章も非常にこなれていて素晴らしい。さらに続編の『エンディミオン』も早く読みたいのですが、他にたまっている本がたくさんあるのでとりあえずしばらくお預けにしておきます。

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2004年11月05日 (金)

無人惑星サヴァイヴ 最終話 (アニメ:2004/11/04)

<11月4日に見たアニメ>録画して見たものも含め見た順に並んでます
『KURAU Phantom Memory』第17話テレビ朝日:10月27日)
『無人惑星サヴァイヴ』第52話(最終話)NHKデジタル教育テレビ:10月28日)
『サウスパーク<第7シリーズ>』第5話WOWOW:11月4日)
『グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜』第4話WOWOW:11月4日)

というわけで『無人惑星サヴァイヴ』が最終回でした。このアニメは江口寿史さんがキャラクター原案をやっていたので気になって第1話から見ていましたが、最初の頃は、SFとしての設定がいい加減なところとか、あるキャラクターの声が変なところとかが気になって、正直見続けるのが結構キツかった頃もありました。でも半分を過ぎるころから次第に面白くなって来て、後半の10話ぐらいは非常に盛り上がる展開になって楽しく見させてもらいました。最終回も大団円で、久し振りに王道の子供向けアニメを見切った、という感じです。

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2004年11月03日 (水)

リロ&スティッチ (アニメ:2004/11/03)

<11月3日に見たアニメ>録画して見たものも含め見た順に並んでます
『リロ アンド スティッチ ザ・シリーズ』第2話, 第22話, 第20話WOWOW:11月3日)
『リロ アンド スティッチ ザ・ムービー』WOWOW:11月3日)
『リロ&スティッチ』(字幕版)WOWOW:11月3日)
『巌窟王』第4話テレビ朝日:10月26日)
『双恋』第4話テレビ東京:10月27日)
『BECK』第4話テレビ東京:10月27日)

毎年11月恒例のWOWOWディズニー・スペシャルで『リロ&スティッチ』シリーズをまとめて見ました。映画『リロ&スティッチ』は劇場公開時に映画館で観たのですが、やっぱりこのシリーズは面白いです。なんと言っても主人公の「リロ」の破天荒ぶりが楽しいし、エイリアンである「スティッチ」の「悪い子」ぶりもかわいい。ディズニーの作品には、良い子の主人公が、一面的な価値観から見て「良い」行いをして良い結果を得る、みたいなちょっと排他的な偽善性がある感じのものが多い印象があるのですが、このシリーズでは、決して「良い子」ではないリロが、スティッチという完全に異質なもの(なにしろエイリアンですから)をごく自然に受け入れて絆をつくっていくという話になっていて、異質な価値観への寛容とか多様性の尊重とか、そういうものが意識されているような気がします。

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2004年11月01日 (月)

本:2004/11/01

<購入>
ハロルド作石『BECK』第14巻, 第15巻(講談社/KCデラックス)

<読了>
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオンの没落』上巻(ハヤカワ文庫SF)
ハロルド作石『BECK』第14巻, 第15巻(講談社/KCデラックス)

『ハイペリオン』の謎解きとなっている続編『ハイペリオンの没落』ですがこちらも面白いですねー。先がどんどん読みたくなります。

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2004年10月31日 (日)

『蒼穹のファフナー』シリーズ構成に冲方丁さん

<10月31日に見たアニメ>録画して見たものも含め見た順に並んでます
『げんしけん』第2話キッズステーション:10月24日)
『蒼穹のファフナー』第16話テレビ東京:10月24日)
『ファンタジックチルドレン』第4話テレビ東京:10月25日)
『月詠 -MOON PHASE-』第4話テレビ東京:10月25日)
『ToHeart Remember my memories』第3話BS朝日:10月25日)
『サムライガン』第4話テレビ朝日:10月25日)
『スクールランブル』第4話テレビ東京:10月26日)
『BLEACH』第4話テレビ東京:10月26日)

『蒼穹のファフナー』ですが、この第16話からスタッフクレジットが変わったようで、ちょっと前から脚本に連名でクレジットされていた冲方丁さんがシリーズ構成になって、脚本も単独で手掛けるようになったようです。多分そのせいだと思うのですが、作品のテーマがはっきりしてきて非常に面白くなってきてます。特にこの第16話は非常に密度が濃い。これから期待大です。

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2004年10月30日 (土)

本:2004/10/30

<購入>
ハロルド作石『BECK』第8巻〜第13巻(講談社/KCデラックス)
監修:ハロルド作石&月刊少年マガジン編集部/構成:草野真一『BECK Volume00 THE GUIDE BOOK EX』(講談社/KCデラックス)
小林尽『スクールランブル』第3巻, 第4巻(講談社/講談社コミックス)
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『エンディミオン』上巻, 下巻(ハヤカワ文庫SF)

<読了>
ハロルド作石『BECK』第8巻〜第13巻(講談社/KCデラックス)
小林尽『スクールランブル』第3巻, 第4巻(講談社/講談社コミックス)

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2004年10月24日 (日)

DVD:2004/10/24

<購入>
『プラネテス』第7巻(BCBA-1800)

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本:2004/10/24

<購入>
オースン・スコット・カード/田中一江訳『シャドウ・パペッツ』(ハヤカワ文庫SF)

『エンダー』シリーズ(の姉妹編)の新作ですが前作『シャドウ・オブ・ヘゲモン』が出てから結構すぐに発売されましたね。読むのが楽しみです。

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2004年10月15日 (金)

『ハイペリオン』下巻 (本:2004/10/15)

<読了>
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』下巻(ハヤカワ文庫SF)
古賀亮一『ニニンがシノブ伝』第3巻(メディアワークス/DENGEKI COMICS EX)

<購入>
『S-Fマガジン』11月号(早川書房
『月刊コミックビーム』11月号(エンターブレイン

ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』面白いですねー。下巻は上巻よりさらに面白くなってました。特に、「シュライク」によって肉体が時間を遡る(つまり若返る)病気(?)になり、大切な人生の記憶と人とのつながりを文字通り一日一日失っていく女性の姿を、その父親が語る物語として描いている第四章「学者の物語:忘却の川の水は苦く」は、訳者解説にも書いてありましたがダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』風の切なさがあって良いです。でもこの物語をさらに良くしているのは、そういう切なさの中にある甘美さです。娘が一日一日若返っていくというのは、昔の思い出の中の娘が甦っていくということでもあるわけで、これは実は「あの日に帰りたい」的な欲望を実現している物語でもある。もっとも、物語の中では親としてのつらさと切なさだけが語られているわけで、甘美とか言ってられるのは僕が親になったことがないからかも知れませんけど。

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2004年09月28日 (火)

ハイペリオン

<読了>
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』上巻(ハヤカワ文庫SF)

読み始めてすぐのプロローグあたりでは、連邦とか艦隊とかワーグナーとかが出て来るのでこれはもしかしてマッチョなスペースオペラなのかと一抹の不安を覚えたのですが、それは物語世界の枠組みがそんな風なだけで、展開するストーリーには宗教とかサイバーパンク、終末観などSFで扱われて来たおいしい要素がいろいろ盛り込まれていて非常に面白いです。引き続き下巻も読み進め中。

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2004年09月26日 (日)

DVD:2004/09/26

<購入>
『プラネテス』第6巻(BCBA-1799)

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2004年09月12日 (日)

本:2004/09/11

<購入>
羽生生純『恋の門』第1巻〜第5巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)
大暮維人『天上天下』第12巻(集英社/ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)
ダン・シモンズ/酒井昭伸訳『ハイペリオン』上巻, 下巻(ハヤカワ文庫SF)
山田正紀『エイダ』(ハヤカワ文庫JA)
小川一水『第六大陸 1』(ハヤカワ文庫JA)
小川一水『第六大陸 2』(ハヤカワ文庫JA)
野尻抱介『クレギオン1 ヴェイスの盲点』(ハヤカワ文庫JA)
野尻抱介『クレギオン2 フェイダーリンクの鯨』(ハヤカワ文庫JA)
『月刊ニュータイプ』10月号(角川書店
『アニメージュ』10月号(徳間書店

<読了>
羽生生純『恋の門』第1巻〜第5巻(エンターブレイン/BEAM COMIX)

というわけで今日は本を補給。羽生生純『恋の門』は面白くて深夜4:00ぐらいまでかけて全5巻を一気に読んでしまいました。『ハイペリオン』シリーズはちょっと長いのでなかなか手が出せなかったのですが、読み始めることにします。

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DVD:2004/09/11

<購入>
『プラネテス』第5巻(BCBA-1798)

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2004年08月24日 (火)

ミュージカル映画(本:2004/08/24)

<読了>
コニー・ウィリス/大森望訳『リメイク』(ハヤカワ文庫SF)

フレッド・アステアとかジーン・ケリーが出演している40年代から50年代のハリウッドでつくられたミュージカル映画というのはほとんどちゃんと観たことが無いんですけど、これ読んで観たくなりました。この辺りの映画って、なんとなく知ってて観たような気になってるけど、実はちゃんと通して観たことがないというのが多いんですよね…。

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2004年08月16日 (月)

「悪者」の不在 (本:2004/08/16)

<購入>
『週刊ビッグコミックスピリッツ』9.16増刊(『増刊ビッグコミックスピリッツCasual』No.1)(小学館

<読了>
秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その4』(電撃文庫)

『イリヤの空、UFOの夏』全4冊読み終わりました。終わらないと思っていた夏・部室・休み時間の教室・学園祭などなどのノスタルジーをかき立てる設定、日常から非日常への不意打ち転換、後半のロードムービー的展開、急速な盛り上がりを見せて悲しくも清々しく終わるクライマックス、どこをとっても非常に面白かったです。印象的だったのは、クライマックスでの主人公の「悪者の不在は、正義の味方の不在より千倍も万倍も悲しかった」という心の声。この作品では全編に渡ってヒロインがとんでもなく理不尽な状態に置かれているわけですが、その究極原因である「敵」(つまり悪者)の正体が一応は明らかになった後なのに主人公はそう思うのです。でも、その「敵」の正体が主人公にとって(そして読者にとっても)全く実感がわかないもので、ひょっとしたら大人(を代表していると思われるあるキャラクター)が言うその「敵」の正体も実は完全なウソなのかも知れない、という状態ではこれは非常に強く響きます。ヒロインが置かれた理不尽な状況とヒロインや主人公に対する理不尽な暴力の原因が、最終的にあまりにもウソっぽいものとして現れ、ヒロインが最後に対峙したはずの「敵」は全く描かれずに終わる。このようにこの作品では「悪者」や「敵」は明らかになったかのように見えて実は不在なわけで、それによって状況や暴力の理不尽さが非常に強く心に残ります。そして、最後に「敵」が描かれない中でヒロインは「自由」になるわけですが、これはやっぱり、悲しくても「悪者」や「敵」から自由になることを肯定的に描いているのだろうと思うし、それは正しいことだろうなと思うわけです。「悪者」とか「敵」じゃなくて、そこには「原因」や「理由」だけがあればいいはずなんですよ、多分。

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2004年08月15日 (日)

本:2004/08/15

<読了>
秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その3』(電撃文庫)

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アート オブ スター・ウォーズ展

母の実家のすぐ近くにある福島県立美術館で今開催中の「アート オブ スター・ウォーズ展 EPISODE IV・V・VI」を観て来ました。EPISODE I・IIの方は福島県立博物館で分散開催されているので展示物の量はちょっと物足りなかったんですけど、ミレニアム・ファルコン号の巨大な模型がカッコ良かったです。あれ欲しいなー。

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2004年08月14日 (土)

本:2004/08/13

<読了>
秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その2』(電撃文庫)

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2004年08月10日 (火)

日常性が遠ざかる時(本:2004/08/09)

<読了>
秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その1』(電撃文庫)

<購入>
『週刊ビッグコミックスピリッツ』No.37・38合併号(小学館

というわけで『イリヤの空、UFOの夏』全4冊を読み始めているのですが、非常に描写が具体的なので、駒都えーじさんのイラストの効果もあって、読んでいるとこれがアニメになった時のカットや動き・声がはっきりと思い浮かびます。そしてこの1冊で、頭の中でアニメが3話分ぐらい出来上がります。だから、これをちゃんとアニメにするのは逆に大変かも知れないですね。この原作が既にアニメとしての一つの完成形を見せてしまっているようなものだから。ただ、この「その1」の中で、学校のぬるい日常性が主人公からじわりと遠ざかって行く場面があるんですが、そこの緊迫感の表現は文章ならではで非常に上手だと思いました。秋山瑞人さんはこういう不意打ちのような表現が得意なんでしょうね。今後プロの手でアニメになった時に、その緊迫感がアニメならではの表現で描けていることを期待します。

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2004年08月06日 (金)

語りえないことを語る戦い(本:2004/08/06)

<読了>
山田正紀『神狩り』(ハヤカワ文庫JA)

ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』で提示されている「語りえないことについては沈黙しなければならない」という命題をモチーフに、“神”という名の超越的存在の影と戦おうとする人間を描いた山田正紀さんのデビュー作。ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』は、大学の教養課程の“現代哲学”などで簡単に解説を学んだだけで読んだことはありません。だからかなり誤解があるかもしれませんが、「語りえないことについては沈黙しなければならない」という命題は、要するに言語で表せないことというのは語ることができない(トートロジーですけど)から、言語で語れることが取り敢えず人間の「世界」であって、それ以外のことについては途方に暮れるしかない、ということだったような気がします。これはまあ納得できるわけです。しかし、人間とは「論理レベル」が違っていて語りえない存在として“神”を描いているこの『神狩り』では、主人公はその語りえない“神”の論理レベルでの言語である「古代文字」を必死に解読して“神”と戦おうとします。これはつまり、「語りえぬこと」をなんとかして「語りうること」にしようとする戦いであって、この戦いは、近代では哲学ではなく文学(広義)がやってきたことのような気がします。そして特にそういうことをやっているしやれるのは実はSFというジャンルなのではないか。文学のことなど人並み以下にしか知らないんですけど、そういう戦いがもし文学の場にあるのなら、ちょっと見てみたいなと思いました。そんな感想でした。

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2004年08月04日 (水)

いなくなってしまう悲しさ(本:2004/08/03)

<読了>
秋山瑞人『猫の地球儀 その2 幽の章』(電撃文庫)

この本は朝の通勤途中の電車の中などで読んでいたのですが、「えっ、ウソ…(でもやっぱりね)」みたいな重たい展開があって結構朝からやられました。全体として軽妙な文体でさらっと描かれているので、人が(この本の場合猫ですけど)いなくなってもう会えないということの悲しさや重さに読者は突然向き合わされるわけで、これはとても上手だなと思いました。同じ秋山瑞人さんの、アニメ化も決定していていろんな書評などで絶賛(と言っていいと思いますが)を受けている『イリヤの空、UFOの夏』(電撃文庫)シリーズも実は先月に4冊全部買ってあるのですが、続けて読むのはちょっと気分が沈みそうな気がするので何か別のものを間に挟もうと思います。

ところでさっきまでAFC Asian Cup China 2004の準決勝(中国代表vsイラン代表)をNHK衛星第一テレビで延長戦から見ていたのですが、PK戦まで行って中国代表が勝ちました。ということで決勝は中国代表vs日本代表です。開催国と決勝で試合をして勝つというのは非常に良い経験になると思うので、日本代表には是非快勝して欲しいですね。

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2004年08月01日 (日)

『コミック☆星 新一 空への門』 他 (本:2004/08/01)

<購入> 書原 本店(南阿佐ケ谷)で
『コミック☆星 新一 空への門』(秋田書店
三浦建太郎『ベルセルク』第27巻(白泉社/JETS COMICS)
『S-Fマガジン』9月号(早川書房

『コミック☆星 新一 空への門』は「午後の恐竜」に続く星新一作品のマンガ化作品集第2弾。帯に“大好評をうけて第2弾発売!”と書いてあったのだが、前の「午後の恐竜」ってあんまり本屋で見掛けなかったような。星新一さんのショート・ショートは小学生の頃に読んでたけど、また全部まとめて読んでみたい。『S-Fマガジン』9月号は特集「時空論の彼方に」。まだ読んでないけど、収録されているスティーヴン・W・ホーキングのエッセイのタイトルは「歴史家のために世界の安全を守る『時間順序保護』」ということで、このタイトルを見ただけでこれは読まなければいけないと思いましたよ。なにしろ「世界の安全を守」っちゃうわけだからね。タイムトラベルもののSFは結構好きなので、その元ネタになる理論物理学の話も、あまり難しくないおいしい部分、言うなれば「NHKスペシャル」レベルぐらいの話であればかなり好きです。数学を使った話になってくるともう理解不能だけど。

投稿者 enyu : 23:33 | コメント (0) | トラックバック

2004年07月27日 (火)

『気まコン』の終焉 (本:2004/07/26)

<購入>
『週刊ビッグコミックスピリッツ』No.35(小学館
『月刊アフタヌーン』9月号(講談社
『月刊ガンダムエース』9月号(角川書店

<読了>
秋山瑞人『猫の地球儀 焔の章』(電撃文庫)

『週刊ビッグコミックスピリッツ』では1981年連載開始のホイチョイ・プロ『気まぐれコンセプト』が今号で連載1000回目。僕が1998年の1月22日に国会図書館で1986年の『スピリッツ』を読んだ時の感想は、“この『気まぐれコンセプト』だけは80年代からずっと変わってないのね(笑)”というもので、つまり、1998年の時点での『気まぐれコンセプト』の面白さというのは、90年代の終わりになっても80年代を演じているというズレによって出てくる批評性にあったわけです。で、そのズレというのは当然自覚的なものだと思っていたのですが、この1000回目では「バブル崩壊を阻止せよ!」という特別篇で結構単純にバブルの時代を懐かしんでしまってて、全然面白くない。ひょっとして今までもただ単に無自覚にズレてしまってただけなのでしょうか…?

投稿者 enyu : 00:58 | コメント (2) | トラックバック

『すてプリ』最終巻 (DVD:2004/07/26)

<入手>
『スクラップド・プリンセス』第12巻(GSTN-29102)

最終巻。質の高い良いアニメでした…。

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2004年07月25日 (日)

『ラストエグザイル』最終巻 他 (DVD:2004/07/25)

<購入> 紀伊國屋書店新宿本店Comic & DVD Forestで
『ラストエグザイル』第13巻(VIBF-153)
『プラネテス』第4巻(BCBA-1797)

『ラストエグザイル』は最終巻で、これでDVDを全巻揃えてしまったわけだがほとんど見ていない。いつか時間がとれたら全部まとめて見よう…。

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2004年07月19日 (月)

スチームボーイ

大友克洋監督『スチームボーイ』を新宿スカラ3で観ました。製作期間は9年ということですが、個人的にも、1997年11月2日に今は無き渋谷パンテオンでの東京国際ファンタスティック映画祭のイベント「EMOTION アニメ新世紀宣言」でこの映画のパイロットフィルムを見てから、今日完成版を観るまでに7年も経ってしまってます。時間がかかった理由はいろいろあるようですが、大友さんがこの映画に9年も使ってしまったのはやはり勿体なかった。内容は宣伝にもあるように「驚異の発明《スチームボール》をめぐる少年レイの大冒険」ということにつきるわけで、良い意味でも悪い意味でも“普通”の楽しいアニメ映画でした。絵は非常によく動いていたし、美術(背景)も素晴らしく、ストーリー構成もスッキリしていてモタつかない。でもやっぱり“普通”なんだよね…。まあ元々そういうものを目指していたのだとしたら大成功なんだと思います。キャラクターはヒロインのスカーレットが面白かった。「お金儲けをして何が悪いの?」という開き直りができる強さと幼さ、その裏で抱えている孤独がよく描けてました。主人公のレイより魅力的だったので、スカーレットが主人公だという続編の『スチームガール』(ほんとにこのタイトルなの?)が楽しみです。

投稿者 enyu : 22:35 | コメント (0) | トラックバック